燃えあがる緑の木

bearsmick2014-03-05

今年の正月明けに行った古本屋さんで買ってきた、大江健三郎の3部作「燃えあがる緑の木」を読み終えました。
ノーベル文学賞を獲った我が国を代表する文学者なのに、恥ずかしながら彼の小説を読むのは、僕が大学に入った1972年以来、その時は大学の生協で「大江健三郎作品集」という6巻ものを買った時以来です。
1993年から1995年にかけて書かれたこの小説は、ある意味大河小説ともいえるもので、時代の流れに沿って主人公を軸に「魂のこと」が取り上げられています。
昔から伝わる言い伝え/伝説、昔の一揆、そして近代から現代へと繋がる政治/学生運動、カルトともいえる宗教運動、そして文学や音楽、芸術、哲学、性といった広範囲にわたる事柄を描き出していいて、それはまた読む側の個人的なものとリンクして来るようです。
久しぶりに読んだ大江作品、とても読み応えがありました。う〜ん、文字に表すのが難しいけど、まだ読んでいらっしゃらない人にはお勧めできます。