続・今年も色々聴きました。

bearsmick2012-12-27

昨日に続いて、年末に入手していてまだ紹介していなかった作品を取り上げたいと思います。
今年最初に買ったCDは「フェイム・ストーリー」という3枚組のアルバムだったのですが、1960年代当時そのフェイム・スタジオのライターであったダン・ペン、彼自身が歌った作品群が一枚のアルバムとなって世に出るといった奇跡のような作品「ザ・フェイム・レコーディングス」が、多分今年最後の購入CDとなることと思います。根っからのソウル・ファンという訳でもない僕が、ソウルで始まりソウルで終わるというところにも僕の人生の成熟?が表れているのかもしれません。(笑)
冗談はさておき、ご存知の方も多いでしょうが、ダン・ペンは南部の白人ソングライターー&シンガーです。当時の南部はまだまだ人種差別もあって白人と黒人との壁は高かった訳ですが、こと音楽に関しては、黒人音楽好きな白人の若者が良い仕事をしていることは、エルヴィス・プレスリーやブッカーT&MG'sのスティーヴ・クロッパー&ドナルド・ダック・ダンの例を挙げるまでもなく知られるところです。
そんな中、ダン・ペンが書いた曲の数々は、アレサ・フランクリンを始め多くの黒人シンガーに取り上げられてヒットしたのですが、1990年代にはそれらのセルフ・カヴァー集が出たり、自身のギターと盟友スプーナー・オールダムのキーボードだけとの二人でのライヴ・アルバム(名作!)が出たり、残念ながら僕は観れなかったのですが、なんと来日公演も行われたのでした。
話を戻して、今回の作品は、多分当時のデモ録音だと思うものの、白人青年ならではのソウルとカントリーが程良くミックスされての素晴らしい作品に仕上がっています。アメリカ南部では、僕らが想像する以上にブルースやR&B、ソウルやゴスペルとカントリー・ミュージックとの交配は進んでいたのだと思います。というかそこで普通に生きていたら意識しなくても耳に入ってきたのでしょうね。
ともあれ、「レインボー・ロード」や「アイム・ヨア・パペット」といったヒット曲/有名曲を作者自身の歌で聴けることは音楽ファンとしたら幸せなことです。それにしても若かった白人青年の才能にはビックリです。