君の音楽を作れ

bearsmick2012-10-17

ヴァンガード・レーベルというと、1960年代初頭のアメリカにおけるフォーク・リバイバルに大きな影響を与えたレコード会社という認識があったのですが、僕が本格的に音楽/ロックにハマったのは、1960年代中期から後期にかけての時代だったので、ヴァンファードから出ていた作品を当時きちんと聴いたことは、あまりなかったように思います。もっとも当時の日本ではそれらがちゃんと出されていたかも疑問ですが。
ともあれ、1970年代に入って上京した僕は、食べるものも差し置いてロック喫茶に入り浸り、当時はまっだ少なかった輸入盤を扱う店に行っては、なけなしのお小遣いでレコードを買っていたものですが、そしてその中には、カット盤(廃盤や過剰在庫のレコードをジャケットに穴や切り取りを入れて安く売っていたもの)のヴァンガード・レーベルのLPもたくさんあったものでした。
最近、イギリスのACEレーベルから出た4枚組コンピレーションCD「ヴァンガード・レコーズ&ザ・1960s ミュージカル・レヴォリューション」は、そのお値段の安さ(¥2700弱)と内容の素晴らしさで、良い買い物したなぁ!と思えるし、ベアーズ・カフェでもヘヴィー・ローテーションになっています。
1960年代となってはいるものの1970年代に入ってまでの作品が収められたこのコンピは、一枚目にはフォーク・リバイバルで再発見?された黒人ミュージシャンたちのブルースやゴスペルなどの作品が収められています。
二枚目、三枚目にはフォーク〜カントリー、オールドタイムのミュージシャンたちが収められていて、トラディショナルなものからシンガー・ソングライター系への動きが分かります。もちろん当時のヴァンガードを代表する歌姫ジョーン・バエズもバッチリ、ボブ・ディランもライヴ録音が一曲入っています。
四枚目になるとさすがにロックの波が襲って来ていて、僕も好きなカントリー・ジョー&ザ・フィッシュを始めとしたサイケデリック・ロックラリー・コリエルのジャズ・ロックなども収められています。
ともあれ、アメリカン・ルーツ・ミュージックの優れたレコード会社であったヴァンガード・レコードを俯瞰するには、お手軽でお得なコンピレーションであることは間違いないところで、写真も豊富な60ページ近いブックレットと共に、お宝がまたひとつ増えたと思っています。
このコンピCDのサブ・タイトルにもなっている「Make it your sounds,make it your scene」、現在でも十分通用するスローガンです。温故知新、僕ももっと頑張らねば!ね。