続・自由の鐘

bearsmick2012-02-04

先日、ここで取り上げた4枚組CD「チャイムス・オブ・フリーダム/ソングス・オブ・ボブ・ディラン」を毎日聴いています。だってボリュームたっぷりの曲数だから、聴くにも時間がかかるのは当たり前で、そしてこれが一番重要な理由なんですが、作品としても素晴らしいから。ボブ・ディランが素晴らしいソングライターであることが良く分かります。
かねてから思っていた事なんですが、ディランの曲は他のミュージシャンがカヴァーしても、輝きを増すようです。カヴァーをする場合、オリジナルを超えることは至難の業であることが多いのですが、カヴァーされる事が多いディランの曲は、素材としても素晴らしいものが多いということなんだと思います。
老若男女、いろんな国や地域のミュージシャンたちが参加している今回のアルバムには、オリジナルに近い演奏や思い切ったアレンジの演奏など、それぞれのミュージシャンの思惑で収められているのですが、シンプルで力強いディランの楽曲が損なわれるものはほとんどないように思います。
ザーっと聴いてみて、やっぱり4枚目に僕の好みの音が詰まっているようです(タジ・マハールやカロライナ・チョコレート・ドロップス、マリアンヌ・フェイスフル、ピート・シガーなど新旧ミュージシャンが入っています。ジョーとジェフ・ベックでの「ライク・ア・ローリング・ストーン」もカッコ良い出来です。)。そしてそこには有終の美を飾るかのように、ボブ・ディラン自身の歌「自由の鐘」が収められています。
その「自由の鐘」が最初に収録されたアルバム「アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン」も聴きなおしました。このアルバムは所謂プロテスタント・フォーク・シンガーから脱皮するきっかけになったアルバムで、アコースティックなノリながら、その後のフォークロック/ロックへの曲調への変化の兆しが窺えます。もっとも表立ったプロテストがなくてもその視点はそうぶれていないように思いま。だからこそその後のディランの作品にも繋がっていき、世界中にファンが増え、聴き続けられているのでしょう。
まだまだしばらくは、このアルバムを聴き続ける事になると思います。興味がある人は是非買いましょう。4枚組だけど某密林などでは¥3000以下で買えると思います。それにコノアルバムの収益はアムネスティー・インターナショナルの活動に使われるはずですから。