夢見人

bearsmick2012-01-30

先日、たけさんのカキコでエタ・ジェイムスが亡くなったことを知ったのですが、昨年末に遺作となる新録作品「ザ・ドリーマー」が発表されていたので、哀悼の意を表し取り上げようと思います。
そんなにコアなソウル・ファンではない僕ですが、エタ・ジェイムスはけっこう好きな女性シンガーの1人で、チェス時代のややポップス寄りの作品も聴いていました。そしてやっぱり先日ここで取り上げたマッスルショールズ録音(フェイム・スタジオ!)でのサザン・ソウルのアルバム「テル・ママ」にガツンとやられたものでした。そのフェイムス・トーリーに収録されていたソニー&シェールのヒット曲のカヴァー「アイ・ゴット・ユー・ベイヴ」も素晴らしかったです。
実は、エタ・ジェイムスはこのところ健康を害していて(なんでも鎮痛剤依存症、敗血症、白血病、そしてアルツハイマーまで発症していたそうです。)昨年末には歌手としての現役引退を発表していました。
その最後になった作品が「ザ・ドリーマー」で、そのタイトル曲は、これまた僕が好きなブルース・シンガーであるボビー・ブランドの曲のカヴァーです。このアルバムにはその他にもオーティス・レディングレイ・チャールズといった偉大な黒人ミュージシャンたちの作品が取り上げられていて、文字通り有終の美を飾る作品に仕上がっています。サウンドもかつてのマッスルショールズ作品のようなディープで黒い音です。もちろん時代の経緯はあるのでそのままというわけには行きませんが、僕にとっては十分満足いくものです。
病魔に冒された晩年は、辛い事も多々あったことでしょうが、こうして最後に良い作品を残せたエタ・ジェイムスは、シンガーとしてアーティストとして恵まれていたといえるでしょう。後は僕たちが、ちゃんと聴いて後世に伝えていく事が大事ですね。
R.I.P.エタ!