誰にも見えない、匂いもない

bearsmick2011-05-07

ベアーズ・カフェ最初期の常連さんで、現在横浜にお住まいのT子ちゃんが、今夜店にやって来てくれました。で、近況などを話していたのですが、今回の震災が個人の生活に与えた影響を目の当たりにしました。
実はT子ちゃんは、再婚して横浜へ行ったのですが、二人の娘さんは人吉に居たままでした。そのおかげでしょっちゅう彼女は人吉には帰って来ていたので、それなりに会うことが出来ていたのですが。上の娘さんは現在福岡だそうで、この春高校へ進学した下の娘さんは、横浜で一緒に住み、高校へ進む予定だったそうで、制服などの準備も終えていたそうです。そしてその上京というか羽田行きの飛行機が実に3月11日だったということです。が、ご存知のようにその日の午後2時46分に起きた大地震のせいで、それが延期になり、状況を見守っているうちに原発事故が明るみに出て、結局、放射能が怖いということで、娘さんは横浜での進学を諦めて人吉の高校へ編入することになったそうです。
ということで楽しみにしていた入学式にも出席出来ず、編入試験などの手続きにも手間がかかったそうで、やっとこれから娘さんの高校生活が始まることになったそうです。こんなところにも先の大震災の影響が現れたかと思うと心穏やかではありませんね。
今夜は、他のお客さんとも原発問題を話していたのですが、かねてから、うちの娘は東京への生活も視野に入れているようで、青森に行った帰り(おじいさん、おばあさんのお見舞いに現在行っています)に東京へ寄って今後のことを考えると言っていました。実際、東京の放射能はどうなんでしょうか?ちょっと心配になりますね。
ということで、今夜は、日本のレゲエ界の親分とでも言えるランキン・タクシー1989年の作品「火事だぁ」収録の「誰にも見えない、匂いもない」を若いお客さんと一緒に聴きました。

この作品が発表された時は、僕はまだ青山で「サル・パラダイス」という店をやっていた頃で、毎週金曜日の深夜はランキン・タクシーのタクシーHiFiによるサウンド・システムの営業を行っていたのでした。
僕が持っているのは7インチ・シングル4枚組みのボックス作品、久し振りにベアーズ・カフェの店内に流れたレゲエのサウンドに、全く知らない若者たちも「カッコイイ!」って言ってました。そして原発を正面から取り上げた作品「誰にも見えない、匂いもない」にも、20年以上前に作られたとは思えないと興味を持ってくれたようです。
You Tubeにもこの作品はアップされているので、興味がある人は是非ご覧になってください。