重荷

bearsmick2011-03-31

昨年夏に、晴れてデジタル化した我が家のTV、衛星放送も含めてグッとチャンネル数が増えて、元々TVっ子な僕は嬉しい限りです。が、実際は時間的なこともありそうそうは観れないのですが、それでも毎週楽しみにして録画して観ている番組もあります。
その中の一つにBS-TBSで放送されている「ソング・トゥ・ソウル」という番組があるのですが、これは毎回古今の名曲に焦点を当てて歌詞、サウンドと共にその背景を探るというものです。今夜の一曲は、ザ・バンドの「ザ・ウェイト」でした。もっとも今夜のは再放送で、以前尾城君からVHSの録画したものを見せてもらったことがありました。
「ザ・ウェイト」は、僕も大好きな歌で、恥ずかしながら自分でも超翻案した日本語で歌っていたりします。今回のコメンテイターとして出演されていたピーター・バラカン氏もその歌詞の難解さを指摘されていましたが、分かりやすい歌詞でなくても良いんです。その曲調と調和した総合的な楽曲の素晴らしさが群を抜いた名曲であるのは間違いないのですから。そうそう、そのバラカン氏がコメントしていらっしゃった場所は、僕が営んでいた自由が丘の「マルディ・グラ」でした。なんだか縁を感じるし、嬉しかったなぁ!(笑)
この曲が収められているのは、デビュー・アルバムである「ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク」で、1968年に発表されたもの。流行とか時代とかからは独立したかのような孤高の名作です。それゆえ現在の耳で聴いても一向に古臭さを感じさせません。当時のスター・ミュージシャンたち、例えばエリック・クラプトンジョージ・ハリソンジミ・ヘンドリックスといった人たちにも相当なショックを与えたそうです。
アルバム・ジャケットを描いたのはボブ・ディラン。以前知人の画家に「下手な絵だよね。」と言ったら、「いやいや、自由闊達な絵で、なかなか良いんじゃない。」と言われたことを思い出しました。
タイトルの「ザ・ウェイト」は「待つ」の方ではなく、「重さ」の方です。人間誰しも何らかの重荷を背負って生きていかなくてはならないのかも知れませんが、素晴らしい音楽/歌と共に生きていけることは幸せなことです。これもまたブルースなのかもしれません。