遠藤ミチロウ、ベアーズ・カフェ初登場

bearsmick2011-03-13

日を追うごとに震災被害の大きさに呆然とする思いです。ほんと、なんの神様にでもいいから祈りを奉げたい思いです。一刻も早く治まって欲しいし、一人でも多くの人が助かって欲しいです。
そんな中、今夜のベアーズ・カフェでは遠藤ミチロウさんのライヴを行いました。ミチロウさんは福島県の出身だそうで、この九州ツアーのための飛行中、今回の地震にあったそうです。もちろん心を痛めていらっしゃいましたが、自分のライヴをしっかり演るということでそれに対峙するかのような素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。
実は、ミチロウさんにお会いするのは初めてで、スターリンもちゃんと聴いたことはなかったのですが、いろんな人から彼の人柄の良さなどは聞いていたのでした。実際お会いした感想もそのまま、なかなかのナイス・ガイ、還暦とは思えない若々しい方で、気さくに話すことも出来て、今夜のライヴの良さも確信出来たものでした。


ライヴ時は、きちんとメイクしていらっしゃるのですが、オフの時は人の良いお顔なさっています。(笑)ずーっとロック/音楽には関わっていらしたものの自分でパフォームするようになったのは20代後半からだと言うことで、同世代のミュージシャンやシンガーと比べて自分は後輩のように思えると控えめなところも好感が持てるところです。
ベアーズ・カフェの店内を見て、「グレイトフル・デッドだからベアーズ・カフェなんだね。」と言ってくれるところもナイス、本人も若い頃はヒッピーだったとおっしゃっていました。「俺も若い頃はヒッピーだった!」と大きな声でトースティングしていた我が国のレゲエ界の重鎮ランキン・タクシー以来の衝撃でした。(笑)1960年代のロックに影響を受けた世代にとって、ヒッピー・カルチャーは避けては通れなかったりすることは、当たり前のことで、もちろん僕もその例にもれません。
もっともミチロウさんはその後1970年代後半のパンクに呼応した活動で世に出てきた人なので、そんなパンク・ロックに影響を受けた世代に人気があります。今夜もいつものベアーズ・カフェのお客さんとは違ったパンクな人たちが多く、一緒に写真を撮ったりしてもらっていました。パンクスは強面な感じのする人が多いのですが、そんな姿を見ているとけっこう可愛いものです。(笑)
歌と演奏はというと、さすがにその存在感はあります。ちょと照れながら「やっぱりパンク時代のファンが多いんで、激しいものが多くなるんだけど・・・。」とおっしゃっていましたが、実は静かなメロディックな曲も多そうです。以前TVで観たテキーラ・サーキットが歌っていた「ジャスト・ライク・ア・ボーイ」(凄く良い歌だと思って覚えていました。)も実はミチロウさんの歌で、今夜の一曲目に演奏されました。
そうそう今夜演奏された中で2曲僕が分かったカヴァー曲があったのですが、歌詞はミチロウさんのものに変えられているものの一つはボブ・ディランの「天国の扉」、もう一つはジェリー・ジェフ・ウォーカー作の名曲「ミスター・ボ・ジャングルス」でした。こんなところにも同世代感が現れると好感が持てました。
スターリン時代のエキセントリックな面が取りざたされているかもしれませんが、実は真摯に音楽/歌と向き合って活動されていることがよく分かった今夜のライヴでした。ホンモノはさすがです。