モノ・ボックス

bearsmick2010-11-15

昨年はビートルズのモノ・ボックスが発売されてビートル・マニアの中で盛り上がっていたようですが、今年はなんとボブ・ディランのモノ・ボックスが出ました。
モノ・ボックスといっても一般の方には分からないと思いますが、1960年代のレコードは、モノラルとステレオの2通りで発売されていました。AMラジオはスピーカー1個で聴くモノラル放送だったので、シングル盤はほとんど中音域が太くガツンと出てくるモノラル盤でした。FM放送になってラジオでも音の広がりが楽しめるステレオ放送になったので、その後はほとんどのレコードはステレオになったのです。
我が国でもシングルはモノラル、LPはステレオというスタイルで発売されていて、過度期的に無理矢理モノラルを擬似ステレオ化したトホホなものもありました。
今回発売されたディランのモノ・ボックスはデビュー・アルバムから8枚目の「ジョン・ウェズリー・ハーディング」までのアルバムが9枚のCDにモノラルでのデジタル・リマスターされてブックレットと共に箱に収められています。
1枚目から4枚目までのアルバムは、基本的にギターと歌の弾き語りスタイルなので、当時ら別にステレオでなくて良いじゃんと思っていたものでした。だって右と左のチャンネルから歌とギターが別々に流れてくるんですもの。(笑)
で、こうやって当時の若者たちや先進的な文化人がラジオから流れるディランの歌を聴いていたであろう音を聴いていると、ディランの歌の上手さ、ギターの腕の確かさが伺えます。もっともエレクトリック化してからのバンド・サウンドのアルバムはステレオでの音の広がりも捨てがたいので、そこのところは好き好きなのでしょうが、モノラルの音の太さもカッコ良いですね。だってこの時期のディランはほんとカッコ良くてまだガキだった僕に多大な影響を与えてくれたんですもの。(笑)

それにしてもオリジナル・ジャケットを忠実に再現してあるとしても、各アルバムのバラ売りなしの¥18900というお値段は如何なものかと思います。そりゃ、年寄りのマニアックなファンは買うのでしょうが、若い人にはちょっと手が出ないでしょうからね。
ともあれ、これでまた初期のディランを聴き直すことには間違いありません。カッコ良いんだから、ディラン!(笑)