マジック・バス

bearsmick2010-10-12

この夏、部屋の模様替えをしたことは、先のこの日記でも書いたので読んでくださっている人はご存知でしょうが、その時整理した本の中にまた読んでみようと思ったものが結構ありました。で、これまた先日図書館に行ったものの開いていなくて新しい本を借りることが出来なかったので、これを機にそれらの本を読み直すことにしたのでした。
僕が東京を離れるちょっと前に買って読んだ「マジック・バス」という本は、650ページもあって値段も¥3914もしたものです。当時はこんな高価なものも買えたんですね。(笑)
アメリカの政治や経済は、好きではないものの、文化は大好きな僕(特に音楽!)には、とても興味深く読めた本だったのですが、その内容はというとけっこう忘れていたり、間違って覚えていたりと、今回読み直してみて、「なんて人間の記憶って当てにならないんだろう!?」と思ったのでした。もっともそんなことは僕個人の資質でみなさんはそんなことはないのかもしれませんが。(笑)
内容はというと、大学の講座の一環として教授と学生たちが一台のバスに乗ってアメリカ各地の史跡や博物館、文化的な街などを回り、その当事者たちとも会って、それにまつわる書物なども読んでちゃんと日記やレポートを提出するというもので、現実に体と頭を使っての勉強という、なんとも羨ましいものです。そんな講座があれば僕ももっと真剣に大学の勉強はしたはずだと・・・。(笑)
で、この本はその担当教授のダグラス・ブリンクリィが書いたものなんですが、僕と同世代であろうその教授、しっかりロックをはじめアメリカの大衆音楽にも造詣が深く、ボブ・ディラングレイトフル・デッドなどの音楽を聴きながら旅をするのです。
マジック・バスという発想自体、ビートニク〜ヒッピー文化を牽引したケン・キージーやニール・キャシディたちメリー・プランクスターズのバス「ファーザー」からの影響は大きいのでしょう。相当時間に追われる厳しいバス・ツアーには間違いないでしょうが、学生たちにとっては、とてつもなく大きな経験になったのも間違いないでしょう。
巻末に設けられた100ページにも及ぼうかという脚注というかノートは、アメリカの文化や政治、歴史を彩るちょっとした事典の様相も呈しています。
この本を再読したおかげで、またもいろんなことに興味を持てるようになりました。そして読み終わった僕は、今度はジャック・ケルアックの「路上」をまた読み始めたのです。主人公の名前サル・パラダイスを店名にした店を営んでいたくらいですから、若い頃に影響を受けたのも間違いないのですが、これまた内容はというとすっかり忘れていたのですが。(笑)
心の中に持っている魔法のクルマに乗って、これからも先に続く道を進んで行きたいものです。