常夜食堂〜鈴木常吉ライヴ

ベアーズ・カフェ初登場の鈴木常吉さんのライヴでした。昨夜は熊本市の「凛や」でのライヴだったので「凛や」の美人ママＣちゃんが鈴木さんを連れてきてくれたのですが、何の連絡もなくて時間だけが迫ってくるという一抹の不安を抱かせての夕刻でした。もっとも早くに人吉入りしていたらしく温泉へ行ったり市内観光をしたりしていたそうです。（笑）
昨夜に続き今夜もはるばる熊本や阿蘇からお越しのお客さんも３人いらっしゃって、そのライヴの良さは保障されたようなものです。リハーサルもそこそこにライヴは始まったのですが、なにしろ声が大きくてよく通ります。なるほどマイクも使わない完全アコースティックなライヴもＯＫな訳です。実際、今回のツアーもベアーズ・カフェが始めてマイクを使ったライヴだそうです。もっとも本人はマイクを使うとそれなりの幅が広がるからと、あまり気にしていない様子でしたが。

珍しいボタン式のアコーディオンを使った弾き語りとその独特な歌世界は、なるほどと唸らせてくれました。

ＴＢＳドラマ「深夜食堂」のテーマ・ソング「思ひ出」は、あっけらかんと一部の途中で披露され、鈴木さんの美学も伺えたりして。（笑）この歌がきっかけで今夜お越しになったお客さんもいらっしゃたので、ナマで聴けて良かったですね。もちろん良い歌です。本人は「僕上手くないから・・・」とおっしゃっていましたが、なかなかどうしてギターのピッキングもナイスでしたよ。
その鈴木さん、若い頃は僕と同じように渋谷の「ブラック・ホーク」によく通っていらしたそうで、共通の友人・知人も多く、何故今まで会ったことがなかったのか不思議なくらいです。年齢も一歳しか違わず、そして大学も同じ、ほぼ同じ時代の空気を吸ってきたことになります。という訳で以前からベアーズ・カフェのこと僕のことが気になっていたそうで、今回初めての九州ツアーで無事ベアーズ・デビューが叶って良かったみたいです。（笑）
そんな訳で、音楽の話題を中心にたくさん話すことが出来ました。けっこうはっきりとモノを言う人なので、ケンカになるんではないかと周りの人から心配されているそうですが、いやぁ全く問題無かったですよ。お互いいい年だし。（笑）

そうそうライヴ終了後、残った人と一緒に会話を楽しんでいたのですが、「イカ天」のファンだったというＨさんやサムチンも聴いたことが無いという鈴木さんのデビュー・アルバムであるセメントミキサーズ「笑う身体」をみんなで聴きました。鈴木さん自身久しぶりに聴くそうで、自分で作った曲に関わらず相当忘れているとのこと。いやぁ、現在でも充分通用するようなサウンドでかっこいいです。
このアルバムは、１９９０年に発表されたものなので、ちょっとブームだったワールド・ミュージックの影響も受けたポップでファンキーなバンド・サウンドになっています。それと当時僕も好きだったアメリカはテキサスの好き者バンド「ブレイヴ・コンボ」のリーダーであるカール・フィンチがプロデュースしていたのもポイント高かったなぁ！
聴き終わった後、鈴木さんがポツリともらした「この時代の歌は、今ライヴで出来ないなぁ・・・。」という言葉も、ちょっと残念感と安心感が混じっていて良かったかも。（笑）
ともあれ、今回をきっかけにまたベアーズ・カフェにライヴをやりに来てもらいたいと思わせてくれたミュージシャンでありました。