ボビー・チャールズ

bearsmick2010-01-18

ボビー・チャールズというアメリカのシンガー&ソングライターが、1月14日に享年71歳で亡くなったことは、先日の日記でもちょっと触れて、後で取上げるようなことを書いたところ、このブログの愛読者?である横浜にお住まいのTさんから「早く取上げてくれ、コメントしたいから。」とのありがたくもプレッシャーがかかるメールを頂きました。(笑)
ということで、今日は意を決して僕も好きだったボビー・チャールズのことをちょっと書いてみたいと思います。(ってそんなに大層なことではないのですが。笑)
ボビー・チャールズはシカゴの名門レーベル「チェス」と初めて契約を交わした白人だと言われています。南部出身でホンモノのグルーヴ感やフィーリングを持っていたボビー・チャールズはファッツ・ドミノのヒット曲「ウォーキン・トゥ・ニューオリンズ」の作者として、また自身のヒット曲「シー・ユー・レイター・アリゲイター」で有名でした。
もっとも僕が彼のことをちゃんと意識できたのは、ぐっと時代が下がってザ・バンドのメンバーなどウッドストック人脈と共に製作された名作「ボビー・チャールズ」によってでした。
 
全曲ハズレなしのこのアルバムは、ゆったりと優しさあふれる音楽でいっぱいです。若さも良いけど、良い歳の取り方をしたちゃんとした大人にしか表現できない音楽もあることを教えてもらった気がします。裏ジャケットにはスイカにかぶりつくボビーの姿があり、もっぱら僕らの中ではスイカ・アルバムと愛情込めて呼んでいたものです。
1978年か79年にザ・バンドのドラマーだったレヴォン・ヘルムのRCOオールスターズで来日した時、東京会場で友人の女の子がスイカをプレゼントしたという美しいエピソードをありました。もっともその時僕は、フラフラしていた時期だったので、札幌でのコンサートに行き素晴らしかったコンサートを経験しました。お尻をポンポンと叩きながらリズムを取りつつ歌うボビーの姿は忘れられません。
その後は自分の音楽の趣味も変わっていったので、ずーっと追っていたわけではないのですが、時期ごとに聴きたくなったりしてアルバムを買ったりしていました。
 
1980年代、1990年代と時代に媚びない良心的なアルバムを発表してくれました。右のアルバムは日本盤で矢吹申彦のイラストが良いですね。音楽的にはほとんど変わらないというか変わりようがない、そんな音楽なんですが、それが良いのです。確かに変わらない美しさはあるのです。なんといっても優しく暖かい音楽なのです。
聞くところによると新作も出来上がっていたらしく、もうすぐ僕たちの前に発表され予定だったとか。現在では2年前に出たこのアルバムが最後になりました。

そのタイトルどおりホーム・メイドな優しさに包まれた作品です。
最近は、どんどん好きなミュージシャンが亡くなっていくのですが、確かに淋しく悲しいことではあるものの彼らが作り上げた作品はちゃんと残ります。ボビー・チャールズの新譜を待ちながらこれまでの作品に耳を傾けて、個人的な追悼をしたいと思います。