安らかに

最近、老後や介護、そして死と言うことを、なんとはなしに考えていたのですが、今日は相当ショックな電話が入りました。
まだ僕が東京・青山でサル・パラダイスという店をやっていた時、その店は週末はクラブ形式の店に変身して、毎週いろんなDJが入って楽しく営業していたものでした。お客さんもミュージシャンや当時のお洒落な人たち、流行に敏感な若者たちであふれ、それなりに流行っていたものでした。今では考えられないことですがね。(笑)
そんな中、常連さんという人は出てくるもので、毎週顔を合わせていると普段でも一緒に遊んだりすることもあったりしました。そんな中にM岡君とMちゃんという若いカップルがいて、結婚することになったのです。最初はこの店でデートしていたそうで、そんな縁もあり、僕たち夫婦に仲人を頼んできたのでした。
そのM岡君は、れっきとした一部上場企業に勤めるちゃんとしたサラリーマン(僕の友人の中では唯一だったかも)だったのですが、音楽が大好きで、歳の差はあるものの僕と知り合い仲良くなったのです。もちろん仲人の件は「今後の仕事のこともあるんだから、こんな酒場のオヤジに頼むより職場の上司にお願いしたほうが良いよ。」と当たり前にお断りしたのでした。それでも彼らは、結婚式が近づいてきてもまだ僕たちに期待しているようで諦めていませんでした。結局は時間もないし、僕らも折れて生涯初の仲人の大役を引き受けてしまったのでした。もっとも当日だけの形式的な仲人でしたが、それでも式典での出番もあるし挨拶もしなくてはいけないし、けっこう緊張もしたものでしたね。その挨拶が終わったらホッとしてお酒を頂いたのを覚えています。(笑)
そんなこともあり東京時代は仲良くしてもらっていて、僕が人吉に帰って来てからも一度、生まれたばかりの娘のAちゃんを伴って遊びに来てくれたこともありました。もちろん昨年と今年の僕の上京時にもM岡君とは会えたのですが・・・。
実は今日のお昼に奥さんのMちゃんから電話があって、M岡君が事故で亡くなったことを聞いたのです。10月7日に事故に遭ったそうですが、さすがにMちゃんはショックで今日になるまで立ち直れなくて連絡出来なかったということでした。お葬式は仕事関係の人たちで行ってもらって、遊び仲間にはまだ連絡していないということでした。
病気で亡くなることも、それは辛いことに違いありませんがまだ心の準備は出来ます。が、事故となると、それは突然やって来て現実を目の前に提示してくるのです。そのショックといったら大変なものでしょう。
さて自分になにが出来るかを考えても思い浮かびません。ともあれ冥福を祈って彼が好きだった音楽を聴いたり、一緒に遊んだ楽しい思い出を思い出したりすることしか出来ませんでした。
東京の共通の友人には連絡したのですが、なんか出来ることがあったら・・・。
M岡君、安らかに。そしてMちゃん、ここは一つ辛いだろうけど気持ちを強くもって頑張って下さい。