最近、心の底に滞っているもの

bearsmick2009-05-26

先日、WOWOWで放映された若松孝二監督作品「実録・連合赤軍/あさま山荘への道程」をヴィデオに録画して数日前に観たのですが、どうも重たいものがお腹の底にひっ掛かったままのようで、どうもすっきりしません。
昨日の日記に、mrtastyさんからのありがたいご意見を頂いたのですが、僕は昔からどうも組織が苦手のようで、ちゃんとした組織に加入していたことがありません。もちろん生活を支えるには一番有効かもしれない会社にも属したことがないくらいです。(笑)
もちろん人間は、ひとりだけで生きていくことが出来ないということは分かっているので、何かしらの集団や組織は必要だということも分かっているのですが、なるべくそれを小さく、そして緩やかにしておきたいという気持ちがあるのだと思います。
で、先の映画の話に戻すと、当時の社会の気分、例えば「革命」にはある種のロマンを感じてはいたものの、セクトというカッチリした組織になんだかの違和感を持っている僕自身というものがその当時からあったのも事実で、この映画を観てその感がいっそう強まったのでした。
オウム真理教もそうでしたが、真面目で頭が良い人が一生懸命になって自分が正しいと思うことを追求していくと、どうも回りのことが見えなくなって唯我独尊な状態に陥りがちです。そしてそれがきちんと組織化されたものであればあるほど、ピラミッド型のヒエラルキーが発生してより教条主義的になっていくように思います。
僕は自由というものを大事だと思う人間なので、組織に絡め取られてしまって個人の自由がなくなった情況というものには死んでもついていけません。もちろん自由とは、無責任に好き勝手することではなく、それなりの責任が付随するということも分かっているつもりではあります。
そんなことを考えながらこの映画を観ていたものだから(それに3時間20分くらいあるんだよ!)、心の底に錘が沈んだかのような気分になっていったのでした。以前観た映画「突入せよ!あさま山荘」は警察/公安側から描いたもので、これはこれでなんだかなぁ!?と思ったものでしたが、今回の映画は・・・、なんだか辛い気持ちになったのは事実です。
そういえば、この事件は1972年2月28日に終焉を迎えたのですが、その日は僕はまだ東京にいて受験活動?をしていたのでした。TVで観ていた記憶があるのですが、実際はどうだったのか記憶も曖昧になっています。その年の4月には晴れて東京の大学生になったのですが、僕が入学した大学はけっこう学生運動が盛んだったところだったので、デモや集会、それにセクト間の争いなどが日常茶飯時にありました。僕もちょっとばかり齧ったものの組織が苦手ということで免れたのかもしれません。(笑)
それにしてもあの時代の10〜20代の若者たちが、あれほどまでに革命に燃えていたなんて現代の若者たちには分かってもらえることなんでしょうか?ことの良し悪しはさておき、世界を批評的に見る目だけは養っておきたいものです。