ソウルな夜

bearsmick2009-02-21

ソウルといっても焼肉を食べた訳でもなく、韓国へ行った訳でもありません。昨日のブルースに続いて今日はソウルだったりするだけです。(笑)
何故か?それは友人から借りていた本「スタックス・レコード物語」を読み終えたからです。なんせ小さな字で2段組のこの本、なんと469ページもあるんですもの、そりゃもう読みでがありました。
僕はそれなりにスタックスのソウル・ミュージックも好きだし、以前出た本「リズム&ブルースの死」とか「スウィート・ソウル・ミュージック」などを読んでいたので、ちょっとは予備知識があり読み進むことが出来たのですが、そうじゃないとなかなか読むのに苦労しそうな本でした。実際途中で投げ出した友人も何人かいたし。(笑)詳細に渡って調べられ書かれたこの本は、元々メンフィス大学の卒業論文に代わって執筆されたそうで、さもありなんという感じの分量です。
音楽好きな白人青年が、お姉さん(ジム・ステュワートとエステル・アクストン。二人の姓を合わせてスタックス)と一緒にレコード会社を立ち上げて、スタジオを造り、近所のミュージシャンを白人、黒人問わず集めてレコードを作り始め、それがサザン・ソウルとして成立して行くところなんて、読んでいてもワクワクしてしまいます。その後、経営陣が黒人のアル・ベルになり拡張政策を採り大手のCBSと手を取ったのはいいものの資金繰りが上手くいかなくなって、結果乗っ取られたように破産していくまでのことが、それはもう詳細に書かれています。
現在はまたコンコード・レコードによってスタックス・レコードは再興されて昔の音源は、簡単に聴くことが出来るのですが、その当時はいかに大手のレコード会社に契約面で騙されてきたか、黒人企業ということで、いかに酷い仕打ちにあってきたかもうかがい知れます。特に強制破産させられるところなんて、明日はわが身という気もしたりして。もっともその規模に大きな隔たりがありますが。(笑)
ともあれ、あんなに素晴らしいソウル・ミュージックを世に出してきたレコード会社やミュージシャン、プロデューサー、エンジニアのことを知るためには一読しても損はない本でした。そしてより一層そのソウルが身に沁みて分かったような気もします。(笑)
 
ということで、今夜もまた閑な夜だったので、DVDで「スタックス・ストーリー」と1967年の「スタックス/ヴォルト・ヨーロッパ・ツアー」を観ました。本で読んだことが、実際の人物の口で語られたり映像で観られることはより一層の理解につながります。そして当時のライヴ映像で観られるオーティス・レディングやサム&デイヴなどのホンモノのソウル・パフォーマンスには口あんぐり状態です。
どんな音楽であれ、やっぱりソウルは必要だと思った、そんな夜でした。もちろんお金も必要ですけどね。(笑)