クィーン

bearsmick2008-04-07

先日(といってもけっこう前かもしれませんが)、WOWOWで放映された映画に「クィーン」というのがありました。英国の女王エリザベス2世を扱ったもので、評判にもなっていたので観たのですが、良くも悪くも、よくこんな映画が作れたなというのが感想です。我が国で皇室や天皇(それも実在の)を主人公にした映画はフィクション、ノン・フィクション問わず、難しいのではないでしょうか。靖国(神社)問題を取り上げた映画でさえ右翼、保守系の干渉で上映が自主規制されている情況ですから。残念ながら、こんなところにも近代国家として一歩先んじている欧米各国の理性というのを感じてしまいます。
さてクィーンといえば、その英国の有名なロック・バンドもあるのですが、残念ながら僕はちょっと世代が上なのと当時のヒット・チャートに感心がなかったので、有名な曲意外は全く知りません。で、僕にとってのクィーンというと、アレサ。そうです、クィーン・オブ・オウルと呼ばれるアレサ・フランクリンになりそうです。
有名な説教師/牧師を親に持つアレサは、若い頃から教会でゴスペルを歌っていて、コロンビア・レコードからデビューも果たしているのですが、やっぱりアトランティックに入って、マッスル・ショールズの南部サウンドを取り入れてからが素晴らしいです。その後はニュー・ヨークの名うてのミュージシャンとも素晴らしい仕事をしています。(もちろんポップスやジャズ、ブルースなどを歌わされていたコロンビア時代にも良いのはあります。)
60年代後半という時代もあって、社会意識にも目覚めたソウルの誕生は、アレサにとっても強力な後押しとなったのは間違いのないところでしょう。オーティス・レディングの歌をカヴァーした「リスペクト」や「シンク」といった優れた楽曲は、当時の女性や社会にも大きな影響力を持ったのだと思います。なにしろ歌は上手いし、バックの演奏も良いし、なによりグルーヴィーです。
そんな黄金期ともいえる、アトランティック時代のデモやアウト・テイクを集めたCDが発表されたのは昨年末のこと。ソウル関係で多いに話題になって、ブルース&ソウル誌の07年のベスト10にも選ばれていたものでした。
僕は、その時には、買っていなかったものの、今年になって行きつけのCD/ブック・ショップMの改装後、ちょっとだけCDの商品が増えた中に、そのCDを見つけたのでした。それでもすぐには買わなかったのですが、5回店に来て、それでも売れていなかったら、これは自分が買わなくては、いけないものだという決心をしていた訳です。(笑)
という訳で、一月くらい前に、買わせていただいたのですが、その内容の素晴らしいことと言ったら!なにも躊躇することはなかったような素晴らしいものでした。2枚組計35曲の楽曲は、そりゃもう至福の時間を約束してくれそうなものです。なにも出来が悪くてボツになったのではないという事実が目の前に、いや耳の前の提出されているようなものです。
いやぁ、素晴らしい!これがソウルだよ、君。と若い子にも言ってあげたいものです。家で聴いていたら娘も反応してくれて、お父さんはちょっと嬉しかったものでした。(笑)