思わずニヤニヤしてしまう

bearsmick2007-08-08

相変わらず調子が出ないPCに向かって、何時ダメになるかドキドキしながら日記を書いている今日この頃、そして相変わらず閑な店で自分と向き合いながら音楽を聴いている今日この頃、ちょと嬉しく思わずニヤニヤしてしまう作品と巡り合いました。
それは最近出たばかりのブルース・スプリングスティーン・ウィズ・ザ・セッション・バンドの「ライヴ・イン・ダブリン」というCD2枚+DVD1枚のセットです。
昨年にはピート・シーガーの作品をカヴァーしたアルバムを出したブルース・スプリングスティーンでしたが、それを発展させる形でライヴを行い、民衆の音楽という意味でのフォーク・ミュージック(我が国で使われるフォークとは、違うよなぁ!)をアグレッシヴに提示しているのです。そこには昔から歌われ続けている音楽、フォークやカントリー、アイリッシュ・トラッド、更にはゴスペル、ブギ・ウギ、ニューオリンズ・ジャズ等までもが、現在のブルース・スプリングスティーン・ウィズ・ザ・セッション・バンドの音楽として提示されているのです。
そのバンドは、スーザフォンを含むホーンン・セクション(これがニューオリンズ色をかもし出しています。嬉しいなぁ!)を加えた実に17人ものメンバーで基本的にはアコースティック(もちろんピックアップは使われていますが)な編成で、ギターも常時4人〜5人います。みんなで一緒に楽器を弾きながら歌うという昔のフォーク・シーンにはよくあった形(フーテナニーというのかな?)の再現なのかもしれません。
実は、デビューしたての頃から一応は聴いていたものの、そんなにファンというほどではありませんでした。あのある意味暑苦しいくらいの歌がトゥー・マッチと思えることもあったくらいです。それでもなんやかんや言いつつも耳には入ってくるので、新作が出る度には聴いていたようです。ところが今回のライヴ・アルバムは、曲自体が古いフォークということもあり(自身のオリジナル曲もありますがアレンジされています)、シンプルな分、ブルースの暑苦しいと思えそうな歌が力強く響いてくるのです。
今回のバンドにはシンガーも沢山いて曲によっては分け合いながら歌っていきます。アレンジもなかなか渋く決っていて、それはもう楽しいです。特に2台のバイオリン(フィドルといった方がいいかな?)と先に述べたようにホーン・セクションの活躍が堪りません。
CDとDVDは同内容なのですが、DVDで映像と共に楽しむと思わず頬っぺたが緩んで顔がニヤニヤしてくるのが自分でも分かるくらいです。
ポーグス(懐かしい!)やソウル・フラワー・ユニオン/もののけサミット等が好きなちょっと若い人にも是非聴いてもらいたい今回のブルース・スプリングスティーンです。
ところでこのライヴでブルースが使っているギターは全てタカミネのエレアコ(4,5本)なんですが、ノスタルジックな装飾が施されています。ブルースだからこそ似合うんでしょうね。DVDを観ながらそんなことも考えてしまいました。
所謂アメリカのルーツ・ミュージックといわれる前述の音楽を取り上げている今回のアルバムですが、これこそロックの一つの姿であると思います。Eストリート・バンドでのエレクトリックなロック・サウンドもいいですが、今回のこのアプローチにも実にロックを感じるのは僕だけではないと思うのですが、みなさんは如何でしょうか?
実に楽しい名作だと思います。