頭の中がボブ・ディラン

bearsmick2007-05-31

以前ここでも取り上げたボブ・ディランが出演している映画で日本のタイトルが「ボブ・ディランの頭の中」というのがありましたが、ここ一週間ほどは、僕の頭の中がボブ・ディランに占められています。
それは何故かといいますと、某密林に予約注文していたDVD「ドント・ルック・バック・デラックス・エディション」という2枚組DVDボックスが届いたからです。オマケに今月号のミュージック・マガジン誌(余談ですが、インディーズ紹介コーナーにマイミクじんろう君のバンド、福岡の「コーガンズ」のレビューも載っています)もボブ・ディラン特集でした。
「ドント・ルック・バック」はヴィデオを持っていて、今までも何回か観ていたのですが(冒頭シーンの「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」は世界最初のプロモーション映像として有名で、カッコ良いです。)、なんと今回は、当時編集に漏れた映像から選び直されて65分の作品となった「ボブ・ディラン65再訪」が付いています。本編ではカットされていたライヴ・シーンもたっぷりあって見応えもあります。
内容や批評は、それこそ沢山のメディアで行われているので、ボブ・ディランの一ファンに過ぎない僕は論評は差し控えますが、興味深く楽しめたのは確かです。まだ若干23歳の若造のディランのカッコ良さったら、堪りませんよ、そこのアイドル好きなあなた。(笑)

ここで映像化されている65年の5月の英国ツアーは、ディランがレコードではもうバンド・サウンド(ロック)の音楽を作っているにも拘らず、ライヴではアコースティック・ギターとハーモニカだけのソロ(フォーク)でのライヴを行っていて、そのスタイルでの最後になったと言われています。それにしてもディランのアコースティック・ギターの腕前はなかなか上手いなぁと思います。
残念ながらこの映画の中には、ビートルズやローリング・スト−ンズのメンバーとの交流のシーンはないのですが(実際には何回か訪ねてきていて交流を持ったそうです)、彼等の交流が新しいロック〜若者の文化を生んだことは、その後の歴史が証明していることで、沢山のミュージシャンやアーティストとの交流のシーンが収められています。
当時は付き合っていて(別れる間際だったとしても)このツアーにも同行しているジョーン・バエズの清楚可憐な姿も良いですねぇ、確かにちょっと元気がないようにも見えますが。
ということで、この「ドント・ルック・バック」を何回か観た後は、DVD「ノー・ディレクション・ホーム」(「ドント・ルック・バック」が当時を直に切り取った作品だとすれば、この「ノー・ディレクション・ホーム」は現在から当時を振り返り検証した作品だといえると思います。両方共に必見です。)、ヴィデオ「30周年記念コンサート」(DVDになってないですよね、早くDVD化を望みます。ヴデオが劣化していてクリッシー・ハインドとエリック・クラプトンのところが観れませんでした。)も観直しました。もちろんその他のCDやレコードも聴いています。
そんなこんなで、すっかり頭の中がボブ・ディランになっているのです。ここでもよく言っていることなので、御存知の方も多いかと思いますが、一番好きかどうかは別として僕が一番影響を受けた歌が、ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」という曲です。ディランの歌は何曲か自分でも歌っているのですが、この「ライク・ア・ローリング・ストーン」は、今まであえて避けて来ました。でもこうやって「ドント・ルック・バック」を観て「過去を振り返って見る」と、いよいよ自分なりに歌う時が来たように思います。初めてギターを持ってコードを探してみました。今まで何回でも聴いてきた曲なので割と簡単にコード進行は分かりました。後はいかに歌うことが出来るかどうかです。
66歳になるディランは未だに現役です。そして未だに世界中のミュージシャンや僕のような人間に影響力を持ち続けています。1992年に行われた「30周年コンサート」には本当に贅沢なくらいの沢山の有名なミュージシャンがディランを祝うために集い、ディランの歌を歌っていました。何故そんなにディランの歌に魅力があるんでしょう?答えは風に舞っている訳ではなく、開かれた心に直に届く歌と演奏を続けているからだと思います。