粋だなぁ。

bearsmick2006-12-21

この年末、世間はきっと忙しいのでしょうが、僕はと言えばせっせと図書館通いをして読書に励んでいます。(察しが良い人は、「あ〜、ベアーズ・カフェってやっぱり閑なんだ。」とお思いでしょう。その通り!笑)このところ時事ネタを扱ったノンフィクションや小説など、けっこう内容も重たく量も多いものを読んでいたのですが、そんな本に雑ぜて何故か今回、杉浦日向子さんの「杉浦日向子の食・道・楽」という本を借りてきました。
新刊コーナーに置いてあったその本は、まるで僕に語りかけるような佇まいだったのです。名前は知っていたものの今まで一冊も杉浦さんの本や文章は読んだことはなかったように思います、多分。手に取ってみてパラパラとページをめくってみるとお酒に関することなどが書いてあります。オマケに素敵な酒器の写真もあり、なんといっても短めのエッセイで量も多くなくてなんか良い感じでした。
タイトルどおり、「食」「道」「楽」の章があり、そこに箸休めとしてエッセイが挟まれるといった構成になっています。食事のことや1年を1月ずつ酒器を通して語ったり、不健康は健康のもとと言い切ったりとなかなかに切れ味鋭くテンポがいい文章が続きます。一つ一つが短い文で出来ているのでアッという間にというか今夜一晩で読み終えることが出来ました。
読んでいると頬が緩んでくるのが分かります。さらに相槌も打っているかもしれません。杉浦さんとは性別も違いますし年齢もちょっと違うようですが、勝手にですが、凄く近い感覚を覚えました。読んでいると何故か、この日記にもよくコメントを残してくれるmicannちゃんの顔も浮かんできました(もうかれこれ20年くらいは会ったことはないと思います。多分人生の中でも数えるほどしか会ったことはないかもしれません。笑)。
それにしても杉浦さんは本当に粋な呑兵衛さんです。読んでいたらなんとなく蕎麦が食べたくなってきたのですが、この本の最後に、チャンと蕎麦屋さんが出てきました。同じように銭湯も出てきました。きっと実際にお会いして一緒に飲めたら良い友達になれる人なんだと思います。もちろん杉浦さんが僕をどう思われるかは?ですがね。(笑)
久し振りに自分で持っていたい、好きな人にプレゼントしたいと思わせてくれた一冊でした。