JJケイル&エリック・クラプトン

bearsmick2006-11-13

エリック・クラプトンのファンにはイマイチ人気がないようですが(笑)、今度の新譜「ザ・ロード・トゥ・エスコンディード」は、相当に良い出来です。
現在、日本をツアー中のクラプトンの人気は衰え知らずで、昔からのファンから、割と最近のバラード路線でクラプトンを知ったファンまで、多くのファンを巻き込んで盛り上がっているようです。今回のツアーには、なんとデレク・トラックスをギタリストに指名して、あたかも「レイラ」時のデュエイン・オールマンとのセッションを懐かしむかのような、そんな良い雰囲気でコンサートが進んでいるようです。
ところで今回出たばかりのアルバムは、JJケイルとともに作ったアルバムで以前のBBキングとのコラボレーションに続くものです。今回もまたコラボ相手のJJケイルの名前を先に出すという、とても良い人クラプトンな趣で、自分が影響を受けたミュージシャンを立てるというかリスペクトする姿勢が良いですね。(笑)
ここでも何回か書いているように、僕はシンガーとしてもギタリストとしても、また作者としてもJJケイルのファンです。もちろんクラプトンにしてもそうだったんでしょう(ソロのキャリアの始まりもJJケイルの「アフター・ミッドナイト」だったりしました。)、本人曰く30年越しの思いだったらしいです。数年前の「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」での共演が直接のきっかけになったようですが、今回のような素晴らしい作品を作ってくれるんであれば、それはもう大歓迎です。
全14曲のうちの10曲をJJケイルの曲で占めるという取り組み方で、もうアルバム全体にJJ節が全開です。クラプトンの曲も良い具合にまぶしてあって良い感じのアクセントになっています。ブルースのスタンダード「スポーティング・ライフ・ブルース」のカヴァーも個人的には嬉しかったですが、せっかくこれまた僕が好きなミュージシャン、タジ・マハールのブルース・ハープがフィーチャーされているのに音が小さすぎるなぁ。(笑)
現在ツアー中のバンドのギタリストももちろん参加しているので、何人かのギタリストの音がフィーチャーされているので、個々のギターを聞き分けるといったマニアックな楽しみ方も出来そうです。
全体的には、一見地味ともいえるくらいの落ち着き具合(それこそがJJケイル味というわけですが)ですが、聴けば聴くほどに心に沁みてきます。それにしてもJJケイルの音楽は時代を超越しちゃっています。これから先もずーっと聴いていける、そんな名盤の誕生といえそうな気がします。