不滅の男

bearsmick2006-09-28

みなさん、エンケンこと遠藤賢司をご存知ですか?
遠藤賢司は、僕が高校生だった頃、URCレコードからデビューしたシンガーの一人で、デビュー作「Nyago」は、多分「はっぴいえんど」が自身のアルバム・デビュー前にレコーディング参加した作品だったと記憶しています。当時のフォークとは一線を画した作品で、当時の人吉では買うことが出来なかったので、大阪に住んでいた姉に頼んで買って送ってもらったものでした。
今夜は、そのエンケンこと遠藤賢司が自ら監督&主演した映画(昨年、劇場公開されたものです)「不滅の男/エンケン日本武道館」をDVDで観ました。あの広い武道館にステージとセットを作って、なんと観客は一人も入れずに、エンケン一人ライヴを行う、タイトルどおりの武道館との対決モノです。(笑)結果は、もちろんエンケンの勝ち!ちょっと前の日本のバンドが武道館でコンサートを行うのを夢というかモチベーションにしていたのをあざ笑うかのような、唯一無二のエンケン・ワールドを見せてくれます。
エンケンは僕より7歳ほど年上なので、もうすぐ還暦になろうかというオジサンなのですが、その若くてカッコ良いことといったら、その点でも海外のミュージシャン/アーティストに負けてはいません。デビューして35年以上も現役で活動してきたこと自体、凄いことです。もちろん時期によっては色々あったことでしょうが。
時にはアコースティックで叙情的に、時には轟音のエレキ・サウンドで扇情的にと、その音楽(本人曰く『純音楽』)の包容力というか振幅の広さは、他の日本人のミュージシャンには、なかなか見れないものです。世界を見渡してもニール・ヤングくらいしか思いつかないかもしれません。この映画でも初期の作品から最近の作品までを聞かせてくれるのですが、まったく時代遅れな感じがしないのは流石です。本物は時代を超えることを実感しました。
そういうエンケンだから(こそ)、現代の若いミュージシャンにも人気があります。以前のTVでは、サンボ・マスターがその愛情をいっぱい語っていましたし、このDVD(2枚組みです)のボーナスでも曽我部恵一銀杏BOYZなどとの一緒のステージ模様(劇場公開記念ライヴ)が楽しめます。同じくボーナスとして入っている早稲田大学学祭での教室でのライヴの模様も必見です。武道館だろうが小さなハコだろうが、同じテンションで分け隔てなく自分を表現するエンケンの勇姿を観ることが出来ます。なんでもフジ・ロックで初めてエンケンのライヴを経験した学生が、感動しての学祭ライヴだったそうです。


最後に僕が好きなエンケンの歌詞の一節を記して今日の日記は終わりにします。
「頑張れよ、なんて言うんじゃないよ。俺はいつでも最高なのさ、俺は不滅の男、俺は不滅の男!}