1972春一番

bearsmick2006-06-05

1972年(昭和47年)は僕にとって人生の転機になる年です。何故って高校を卒業して東京の大学に進学することになった年だから。初めて親元を離れ、いろんなことを自分で決めて生活を送らなくてはならないようになった訳です。
まぁ一応、希望の大学/学部には無事に入れたのですが、個人的な目的の一つは、好きな音楽に接する機会を増やすことだったりする訳でした(笑)。(受験のための上京時からコンサートには行っていましたし、入学したての頃から渋谷のジャンジャンや日比谷の野音でのロックやフォークのコンサートには、足繁く通うようになっていました)
中津川フォーク・ジャンボリーには、まだ高校生だった僕は行けなかったのですが(実況録音のレコードは擦り切れるくらい聴いていました)、大阪で行われていた「春一番」には行ける状況は整ったわけです。残念ながら上京したての72年のゴールデン・ウィークには、まだ大阪まで行くことが出来なかったのですが、熊本で浪人生活を送っていた友人たちが、無事、大学に受かって上京してきた73年からは、友人や姉が大阪にいたこともあり、大阪/関西へ遊びに行くことが多くなりました。もちろん「春一番」にも参加するようになったのです。
つい最近、「1972春一番」という、なんとCD10枚のボックス・セットが発売されました。中学時代からの友人でお互いに影響しあった仲である(もちろん一緒に春一番にも行った)尾城君が、ネット上でも大絶賛していたので、すごく気になっていたのですが、如何せんお値段が・・・。なんといってもCD10枚組ですから。(笑)
それでも気になるものだから、ついネットでチェックしていたわけです。するとどうでしょう、ア**ンのマーケット・プレイスに丸っきりの新品が、ちょっとお安い値段で出ているではありませんか!コレは僕に買え!ということに違いないとたいして逡巡もせずにオーダーのクリックをしちゃった訳です(笑)。ア**ンなのにディスク・ユ**ンから送られてくるという、なかなか不思議な体験をしつつ、無事入手した次第です。
本当は誰にも知られず入手したかったのですが、間が悪いことにカミさんが受け取ってしまい、値段まで知られてしまいました。(文句は言いませんでしたが、決して豊かではない我が家に、こんな高いCDを買って!という雰囲気はプンプン伝わってきました。苦笑)そこで、冒頭に書いたように、1972年は僕にとって大事な年で、尚且つ自分の人生に多大な影響を与えてくれた音楽がいっぱい詰っているんだから、コレは僕が持っていなくちゃいけないモノなんだ!と力説しました。
冗談抜きでこの10枚には、僕にとって大事なものがたくさん詰っています。オマケにマイミクでもあるKさんたちによる素晴らしい130ページに及ぶブックレットも入っています。資料性も高くとっても良い仕事だなぁと感心できる作品集に仕上がっています。
先日ライヴをやってくれたトコロけんじ君は、先日惜しくも亡くなられた若林純夫さんとも面識があったそうで、亡くなられる一週間前にも会っていて、このボックス・セットのことも話していたそうです。最後の10枚目は武蔵野タンポポ団の演奏が収められており、そこにはもちろん若林さんの歌も聴くことが出来ます。新しく知り合った若者とこういう風にも繋がっていくのも何かの因縁を感じます。
じっくりこの10枚と付き合って、自分の半生の反省でもしてみようかなと思いました。(笑)
ちなみに収録されているミュージシャン/バンドを書き出しておきます。
西岡恭蔵、グループありちゃん、ブードゥ・チャイル、田中ケンジ
②ダッチャ、貧苦(ピンク)、いとうたかお
③ザ・ディランⅡ、金延幸子、はつぴぃえんど
④律とイサト、中川五郎
⑤ごまのはえ、乱魔堂
⑥シバ、小坂忠とフォージョーハーフ
友部正人
あがた森魚はちみつぱい
高田渡加川良、岩井宏、遠藤賢司
武蔵野タンポポ団、若林純夫
全89曲、7時間18分41秒 の 1972年春一番 です。

こうやって聴くと、まだみんな若くてそんなに上手くはないのかもしれないけど、今聴いても心に響くものはあります。やっぱりこの頃の日本のロックやフォークが自分の内にしっかりと根を下ろしているんだと思い知らされました。