地味変

bearsmick2006-03-30

定期購読をしている雑誌を買いに本屋さんに行って来ました。そこはレンタルCDやDVDもあり、もちろんCDやDVDも売っています。
雑誌を買った後、ナンか掘り出しものはないかなとCDやDVDの並んだ棚(とっても少量で悲しくなりますが)に目を凝らすのが、毎度の慣わしです。
以前、行った時にCD2枚とDVDが1枚のセットで¥2980のジミ・ヘンドリックス「ブルー・ワイルド・エンジェル」というのを見つけて、今度来た時にまだ残っていたら買おうかなと思っていました。で今日見てみたら、まだ売れていませんでした。コレは僕に買いなさいという神の声だと思い、大してお金も持っていないのに買うことにした訳です。
このセットは1970年のワイト島でのライヴを全篇リマスターしてのCDとその映画のDVDです。映画のほうは見たことがあるものでしたが、ボーナス映像も入った160分にも及ぶもの。CDも音質の向上とちゃんと演奏順に並んでいる完全版ということで、かなり満足出来ました。これで¥2980は安いですね、オマケにサーヴィス・ポイントが溜まっていたので¥500引きだったし。
僕はギターは好きだし、もちろんロックも好きなんですが、決してギタリストではありません。ですが、ジミ・ヘンは中学生の時から聴いているし、ロック・ギターの革命家でもあるということに異論はありません。今演奏シーンを観てもカッコ良い!と思います。昔、若いギタリストと話したとき、彼は「ジミ・ヘンはそんなに上手くないですよね。」と言っていました。確かに現在は上手いギタリストはたくさんいます。でもエレキ・ギターであの音、あの奏法を生み出したのはジミ・ヘンなんです。自分で新しい地平を切り拓いたと言うことが凄いことなんです。
60年代後半のあの時代、ロックが一番ロックらしかった時代、ジミ・ヘンはある種のオピニオン・リーダーでした。ステージでの語りもある意味アジテーションに近いものがありました。ディランやビートルズの曲をカヴァーしていたのも決して流行だからというわけでもなかったと思います。
このライヴは亡くなる直前ともいえる時期のものです。新しい自分のスタジオ(エレクトリック・レディ・スタジオ)を手に入れ、新しいバンドとともに新しい試みに向かっていた時期で、資金稼ぎにためツアーも多くてちょっと疲れていたそうです。それでもライヴで見るジミ・ヘンはやっぱりカッコいいのです。
相変わらず閑な店で観ていた、地味でなんか変なオヤジですが、ロックのソウルをちょっと貰った気がしました。
 
中学生の時、初めて買ったジミ・ヘンのLP「スマッシュ・ヒッツ」。モノラルを無理矢理ステレオっぽくしたステレオ・トランスクリプションというもので音質は良くないなぁ(笑)。¥1750と言う値段にも時代を感じます。当時の中学生には大金だったけど。
もちろん今やジャケットはボロボロです。