ハウンドドッグ・テイラー

bearsmick2005-12-17

30年前の今日、1975年12月17日にシカゴのブルースマン、ハウンドドッグ・テイラーさんが亡くなったそうです。当時、あまり黒人音楽には明るくなかった僕にもちょっと衝撃的であったハウンドドッグ・テイラーのアルバムは、日本でも発売されていて、現在進行形のブルースを僕らに見せてくれていたものでした。
アリゲーター・レーベルの創立者ブルース・イグロアさんは、ハウンドドッグ・テイラーのレコードを出したくてレコード・レーベルを立ち上げたそうです。
ベースレスのトリオ、ハウス・ロッカーズを従えたハウンドドッグ・テイラーはその強烈に極悪なスライド・ギターで当時ロック青年だった僕をもノック・アウトしてくれたものでした。その影響は、現在のジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンなどにも見られ、受け繋がれているようです。指が6本あるというのも話題になったものです。まぁ、奇形なのでその小さな6本目の指は使い物にはならないのでしょうが、6本も指があるのにスライドばっかりのプレーというのも面白いよなぁと話していたものでした。(笑)
なんでも兵役時代に日本に駐留していたことがあるらしく、使用ギターも日本製のエレキ・ギター、テスコというのもなんだか親近感を持たせてくれたものでした。その独特の濁ったトーンも極悪なスライド・プレーとあいまって一層魅力的に響きます。そういえばスライド・ギタリストにはそのテスコをはじめビザールなギターを使っている人がけっこういるようですね。
ともあれ自分の人生の中でリアル・タイムのブルースマンとして現れたハウンドドッグ・テイラーは、自分のなかでは特別なミュージシャンの一人であり、エルモア・ジェイムス直系の3連フレーズと共に僕がブルースを奏でるときの指針にもなっています。
普段はそう聴くわけではありませんが、たまにレコードを引っ張り出して聴いてみたくなる一枚であることは間違いありません。写真の「ナチュラル・ブギー」のジャケットもなかなか素敵でしょ。このジャケットを元に矢田さんが描いてくれた絵もベアーズ・カフェに飾ってあります。