今日はフェラ・クティの命日

bearsmick2005-08-02

1997年、ということは僕が東京を離れて人吉に戻ってきた年ですが、その年の今日ナイジェリア人で唯一無二のアフロ・ビートのミュージシャン「フェラ・クティ」が亡くなったそうです。
今でこそアフリカをはじめ世界中の音楽を簡単に聴くことが出来るようになりましたが、今から30年位前は、まだまだ知られてはいませんでした。
それまで聴いていたロックがだんだんと商業主義に陥っていき、曲はよく出来ているし演奏も歌も上手になったけど、その分、単なるポップスに感じられるようになった70年代末、いままで聴いたことがないパワーとリズムをもって現れたのがボブ・マーレーに代表されるレゲエやサルサ、それにフェラのアフロ・ビートでした。
サルサは当時よく分からなかったんですが、レゲエやアフロ・ビートはその社会的な視線をもった歌や重く突き刺さるようなメロディーとリズムによって、失われつつあったロック(精神的な)を強烈に自分の中に蘇らせてくれたものでした。共にハーブの力も借りて反体制的なメッセージを歌ったので相当当局からの弾圧もあったみたいです。が、それにも負けずに自分の主義主張を貫き通したフェラの音楽は、アフリカ音楽に特有な一曲が長ーく、ダンスもバッチリのエンターテイメントとしても優れたものでした。
もちろん僕らと同世代に属する(ちょっと上の世代ですが)フェラは若い頃、アメリカやイギリスにも行っていて、当時のジェイムス・ブラウンなどに代表されるソウルやファンクに影響を受けたそうです。そのJ・ブラウンもまたフェラのステージングに影響されたというのを何かの本で読んだことがあります。日本でも以前ここで取り上げた「じゃがたら」とかはかなりフェラの影響は強かったと思います。
力強いアフロ・ビートに身を委ねて、暑い夏を乗り切るのも一興かもしれません。踊りながら世界を見て自分の頭で考える、コレこそがフェラが僕たちに与えてくれた彼のメッセージかもしれません。