またまたヴィデオの夜

bearsmick2005-03-16

確定申告も終わったから、少しはお客さんの足も聞こえてくるかなという淡い期待もなんのその相変わらずのベアーズ・カフェです。
今夜も「ブルース・ムーヴィー・プロジェクトDVDボックス」から2回目になるマーティン・スコセッシ監督の「フィール・ライク・ゴーイング・ホーム」を観ました。若手のブルースマン、コーリー・ハリスがブルースの発祥の地であるミシシッピーなどのアメリカ南部を訪ねて、老ブルースマンから当時の様子を聞いたり、演奏してもらったりして、さらにルーツを探るべく西アフリカまで足を伸ばす、そんな映画です。さすがに音楽通のスコセッシだけあって端正にまとめてありました。
南部に今でも数少なく残るファイフという笛とポリリズミックな太鼓の音楽はアフリカだけではなく我々アジアの音楽にも通じるような原初的な響きに思えました。
サリフ・ケイタやアリ・ファルカ・トゥーレ、トゥマニ・ジャバテなどアフリカのミュージシャンも久しぶりに聴きました(以前のワールド・ミュージックの流行が懐かしいです。何故かアフリカのミュージシャンたちは、ヤマハやタカミネといった日本のギターを使っていました)。根底の部分では繋がりは感じられますが、やはりブルースはアメリカ独特の発展した音楽だと思います。もっとも現代のように情報が発達した世界では、そのブルースも決してアメリカ黒人だけの音楽でないことも確かです。
文化は決して途切れるわけではないのですが、かってのロマックス親子が残した録音のようにきちんとした形で残しておかないと、時代と共に移り変わっていく大衆文化は歴史的に消えていくのかもしれません。そんなことも考えさせられる映画でした。