レコジャケ

bearsmick2005-02-18

昨年の秋頃には出ていたと思うのですが、レコード・コレクターズの増刊号「JACKET DESIGNS IN JAPAN」を最近読み(観)終わりました。外国のレコ・ジャケを扱ったものは、今までにも何冊かあったように思いますが、日本の音楽を中心にしたものはなかったように思います。(中には日本人のアーテストが外国のミュージシャンのアルバムを手がけたものも含まれています)
一言で言うと、コレは買いです。装丁も丁寧できれいだし、レコジャケの本だけあって写真も良いです。これで¥2000は安いと思います。
何よりもいいのはインタビューを通してそのアーティストと音楽の係わりを浮き彫りにして鮮やかに時代の音楽をも見せてくれているところです。LP時代になりレコード・ジャケットのデザインが重要視されるようになり、その音楽との美しいコンビネーションの世界を造り出した30cmの宇宙、それこそがレコジャケだったのです。たくさんのアーティストが、80年代中期に入るとその輝きに陰りが出てきたと語っていることは、LPからCDへと移行するのとリンクしているようで興味深いことでした。
個人的に、70年代は特に音ジャケ一致というか、所謂ジャケ買いしてもあまりハズレはなかったような気がするのですが、確かに80年代に入ってくるとヴジュアルの一人歩きというか、ハズレが増えたような気がするのも、あながち自分の感性が鈍ったせいだけではないのかもしれません。
総勢25人のアーティスト(デザイナー)が取り上げられているのですが、東京時代になんらか関係があった矢吹申彦八木康夫、河村要助各氏の描いたレコードが、自分にとってのフェイバリットが多いのも必然な感じがしました。
レコジャケは単なるレコードの入れ物ではなく、その音楽と一体になって空間を彩ってくれた素敵なインテリアだったのです。