寒い夜に晴れた空からの音楽

bearsmick2005-01-31

くどいようだけど、人吉に帰ってくる前は東京は自由が丘というオシャレな街で(?)「マルディ・グラ」という店をやっていました。現在の「ベアーズ・カフェ」と同じような店だったんですが、毎週月曜の夜はライヴをやっていました。
それを仕切っていたのが、今日の主人公であるYANCYで、毎回いろんなミュージシャンに声をかけてのセッション大会で楽しく盛り上がっていたものでした。ある種、東京で活動しているブルース系のミュージシャンはほとんどといっていい位、来てくれたんじゃないかな。
知り合った頃は、まだ学生っぽっさが残った可愛いヤンシーで、法政大学の黒人音楽の同好会出身らしいマジメなシカゴ・ブルースやラグタイム、ジャジーな感じのピアニストでした。が、店名「マルディ・グラ」で分かるようにニュー・オリンズ大好きな僕に感化されたか(?)、彼の地に音楽修行に出かけたのです。帰ってきたら、以前とは大違い、明るく楽しい歌ってピアノを弾きまくるスタイルに変身していました。ちょこちょこと音楽の仕事も増えていったようでした。
僕は東京を離れて7年半くらい経つのですが、そのヤンシーの噂は田舎にも届いてきました。「kotez & Yancy」「Crazy Fingers」での活躍、ベアーズとも関わり深いMOONEYとのセッション、バン・バン・バザールでの活動など・・・。その都度、「おっ頑張ってんな」と思ったものでした。
現在「マルディ・グラ」をやっている川村夫妻からの年賀状でヤンシーのCDが出たことは知っていたんですが、最近、小川真一さんのBLOGで取り上げられていて、その評判にすごく興味をそそられ、アマゾンにオーダー、今日届いたわけです。
思いがけず、ブルースやニューオリンズR&Bの匂いがまったくしない、良い意味での日本のポップス&ロックのCDに仕上がっていて、ヤラレました。
そのタイトルが示すとおりの穏やかで沁みる楽曲の数々。音数少なく優雅な楽器の調べ、ずいぶんと上手くなっていた(失礼!)ヤンシーの歌。これはもう時代を超越した優れた音楽です。決して時代を切り開くとか世相を切るとかの音楽ではないですが、個人的な、でもある種普遍的な世界を表現していると思います。
ヤンシーってはっぴえんどとか聴いていたんだとの思いもありますが、ほぼ7年半ぶりに聴いたヤンシーの音楽・歌に脱帽です。
時間を見つけて九州にも来て下さい。生で観たいです。
CDジャケットの矢吹さんの絵も素敵です。