やっぱり凄いぞ、ネヴィル・ブラザーズ!

bearsmick2005-01-25

今年最初にアマゾンで買ったCDの一枚がネヴィル・ブラザーズの6年ぶりの新譜「ウォーキン・イン・ザ・シャドウ・オブ・ライフ」だったのですが、聴くほどにその良さが効いてきました。以前のバンド・メンバー(強力なリズム・セクションだったドラムのW・グリーンもベースのD・ジョンソン)はもういないのですが、基本的にネヴィル一族で奏でるそのファンクネス溢れる音楽は現代のニューオリンズ音楽の精髄という感じさえします。
前半はブリブリのファンク・チューン(ニューオリンズでは昔、フォンクと言っていたらしい)で飛ばし、さながらP・ファンクのような曲さえあります。デジタルの音も交えての時代感覚も持った相当カッコ良い音作りで、もうノリ・ノリです。そして後半になると身体はゴツイが天使の歌声を持った今や国民的シンガーのアーロンの美しい歌にやられてしまうのです。
1980年代中・後期、青山でサル・パラダイスという店をやっていた頃に、個人的な嗜好が、それまでのワールド・ミュージックから、再度アメリカ南部の濃い音楽の良さに回帰しようとしていたんですが、その時バリバリの現役のライヴ・バンドとして僕の前に現れたのでした。当時、日本にも毎年のように来てコンサートを行ってくれていて、ずいぶん楽しませてもらいました。世界最高のライヴ・バンドとの評価もあったように思います。88年だか89年のグレイトフル・デッドのニュー・イヤーズ・イヴ・コンサートにも出演していて、いっきに人気が高まったそうです。そういえば次男のサックス・プレーヤー、チャールズや四男のヴォーカル&パーカッション、シリルは好んで絞り染めの衣装を身に着けていますね。
長兄のキーボード・プレーヤー、アートをはじめ、それぞれがキャリアのある兄弟バンドのネヴィルズですが、その各自の音楽的な素養が豊かな音楽を形作っています。が、基本はあくまでもニューオリンズのノリを大切にしたライヴ感ある音楽だと思います。兄弟それぞれのソロ作品をひもとくだけでもニューオリンズ音楽の様々な歴史を垣間見ることができそうです。前に取り上げたドクター・ジョン共々ネヴィルズから、その豊潤なニューオリンズ音楽の道へ入っていくのも一興かと思います。
一昨年にブルース・インターアクションズから刊行されたネヴィルズの自伝「魂の宿る街ニューオリンズから」も是非読んでみてください。とんでもなく面白いです。彼ら、音楽やっていなかったら単なるギャング、絶対、刑務所の中にいるか(実際、二人は経験者)死んでいるに違いありません。音楽が身を助け、ひいては世界平和にも貢献しているのです。
  
写真は僕が最初に買った2枚目のアルバムと現在3枚目と4枚目のライヴ・アルバムが一緒になってCD化されている2枚組みライヴ。最高です。