幸せの条件

bearsmick2013-02-22

人によって「幸せ」は変わるのでしょうが、そこには心の豊かさや愛する人との出会いなどは欠かせないかと思います。まっ、偉そうに「幸せ」を語ろうということではなく、今日は、読み終えた小説「幸せの条件」のご紹介ということで、お付き合いください。
著者の誉田哲也さんは、映画にもなっている「ストロベリーナイト」の作者としても有名な方ですが、この小説はミステリーではありません。平凡なOLが社長命令で、バイオエタノール用の米を作るべく長野の田舎に行かされることから始まる農業生活、そしてそれを通して自分も成長して、仕事のやりがい、ひいては生き方を考えさせられ、それが幸せに繋がるといったある意味現代のメルヘンっぽい小説です。
東日本大震災を経た我が国、その後の農業、電気をはじめエネルギー問題といったことを小説を通して見せてくれ、考えさせてくれます。もっともあくまでも小説なので、そのまま鵜呑みにするのは危険でしょうが、僕のようにその現場に疎い者にもそれなりに現場の様子をうかがい知ることが出来て、面白かったです。
昔の小説は、人間の存在や思想・哲学などを探求するものが多かったのかもしれませんが、現代は現代ならではの社会のノウハウを描いたものも多いです。ちゃんと就職をしたことがない僕、それ以上に就職活動もしたことが無かった僕は、例えば石田衣良の「シュウカツ」や有川浩も「フリーター家を買う」などで現在の就職活動やそのやり方を知ったくらいですから。
その伝で言っても、この小説もまた自分が知らない世界を見せてくれ、なおかつ考えさせてくれるエンターテイメント小説として優れていると思います。
「幸せの条件」って、他人それぞれなんでしょうが、早くそれを見つけられたら、気づいたら、きっと人生は楽しいんでしょうね。まっ、かくいう僕もそれなりに幸せな人生は送っていますがね。欲を言えばもうちょっと稼ぎがあれば・・・。(笑)