タジ・マハール

bearsmick2012-12-04

総選挙の公示がなされ、街には選挙カーが走っています。3.11以降最初の今回の総選挙は、経済や福祉などの政策も大切ながら、それ以上に原発のことが大きな争点になるべきだと思います。だって我々日本人が未だかつて経験したことがない災害にあった後の選挙ですから。チェルノブイリの悲劇は現在もまだ続いているのですよ、フクシマを忘れさせる、風化させてはならないと思います。
選挙カーから聞こえてくる声を聞きながら、そんなことを考えてウォーキングをしていたら、耳に付けたウォークマンから聴こえて来たのはタジ・マハールの音楽でした。今うちのクルマのカー・ステレオからもタジ・マハールが流れているし、なにやらタジづいている今日この頃なので、先日入手していたタジの新譜(といっても1969年から1973年のスタジオ録音とライヴを集めたもの)「THE HIDDEN TREASURES O TAJ MAHAL」を紹介しておこうと思います。
タジ・マハールは僕が大好きなミュージシャンの一人です。以前にも書いたと思いますが、初来日コンサート時に自らサインをもらいに行ったくらいです。アメリカの黒人(アフリカン・アメリカンと言った方が良いのかな?)ミュージシャンなのですが、1960年代から西海岸で活動していたからか、独特の軽やかさをもったご機嫌なブルースを演っていました。その当時のリード・ギター、ジェシ・デイヴィス(彼もまた大好きなミュージシャンです)とのバンド演奏は、ローリング・ストーンズの「ロックンロール・サーカス」で観ることが出来ます。
それ以前のバンド「ライジング・サンズ」時代は、ギターにライ・クーダーもいたし、オールマン・ブラザースで有名な「ステイツボロ・ブルース」も元々はタジ・マハールのアレンジが元になっていることは知られているところです。
1970年代中期になると、それまでのブルースだけでなくカリビアンの要素も入った素晴らしい作品を発表するようになり、現在もバリバリの現役として活躍していますが、今回の作品は、そのタイトル通り、1969年から73年までの埋もれたお宝音源が満載です。1970年のイギリスはロイヤル・アルバート・ホールでのライヴであるディスク2は、ギターにジェシ・デイヴィス、ピアノにジョン・サイモン、ベースにはビル・リッチといったメンバーが揃っていて聴きものです。もちろんスタジオ録音であるディスク1もデキシー・フライヤーズやジョン・ホールといったミュージシャンとのセッションが収録されていて聴き応えがあります。
自分がこの時代の音楽/ルーツ・ミュージックが好きなせいでしょうが、現在の耳で聴いてもまったく古臭く感じません。それどころか、自分が演るべき音楽がここにあるような気さえするくらいです。(笑)
1969年から73年という時期は、僕の高校時代から大学2年(20歳)という時期に当たります。それは多感な青春時代そのもの、子供から大人になるべき時期とも重なる訳ですが、今またその時代の音楽に心ひかれるということも必然ということかもしれません。自分の今まで生きて来た人生を踏まえつつ今後の日本を考え、今回の総選挙に臨もうと思います。