初めて買ったディランのLP

bearsmick2010-05-17

ぎっしりと文字が詰まった現代思想の別冊「ボブ・ディラン」を読み終えました。なるほどと思える視点もあり、楽しめたのは確かですが、ちょっと難しいところもあったのも事実、でもコレを読む人は、基本的にディランをそれなりに聴いてきた人だと思うので、それもまたありなんでしょうね。
読んでいると、そこに書かれている時代の作品や取り上げられている作品を聴きたくなってくるのは当たり前のこと。ちょこちょこととっかえひっかえ聴いていたのですが、読み終えた時に聴きたくなったのは、僕が一番最初に買ったディランのLPだった「ジョン・ウェズリー・ハーディング」でした。
多分それまでは、きちんとしたオリジナルの形では発売されていなかったディランの作品が、日本での発売元がそれまでのコロンビアからCBSソニーに変わったことで、毎月1〜2枚が順次発売されるようになったのですが、1968年?多分オンタイムで発表されたLPがコレだったのだと思います。
まだ中学生だった僕は、まだLPをそんなに買えなくて(当時のレコードは高かったですからね)、それまでは「風に吹かれて」「時代は変わる」「ミスター・タンブリンマン」「ライク・ア・ローリング・ストーン」という初期の名曲が4曲収められたコンパクトEPを愛聴していたのでした。
話を元に戻すと、最初に買ったLP(当時¥1800)「ジョン・ウェズリー・ハーディング」は名作「ブロンド・オン・ブロンド」の次のアルバムで、バイク事故で隠遁生活を過ごしていた時期の後に出されたものです。ディラン流のロックを確立した後、今度はナッシュビルにて生ギターとベース、ドラム、そして曲によってちょっとペダル・スティールが入るだけというとてもシンプルな音作りの作品でした。
そんな訳で、まだ子供だった僕にはちょっと辛かったのも事実ですが、それより初めてちゃんとしたディランの作品が買えたという喜びのほうが上回ったのか、けっこう聴き込んだものでした。(笑)
ディラン・ファンにもあまり評価さえていない作品かもしれませんが、それでもジミ・ヘンにカヴァーされてヒットした「見張り塔からずっと」も入っているし、僕が好きなラヴソング「 アイル・ビー・ユア・ベイビー・トゥナイト」(カントリー・ジョー・マクドナルドにナイス・カヴァーあり)や昔バンドでカヴァーしたことがある「 入江にそって」といった曲も入っています。
今夜本当に久しぶりに聴いたこのアルバム、シンプルながらグルーヴィーなサウンドに支えられたディランの歌、けっこう来ましたよ。さすがディランです。(笑)
ディラン・ファンを自認している僕ですが、実は1980年代から90年代にかけての作品は持っていないものもけっこうあります。やっぱりちゃんと聴きなおさなければいけないのでしょうか?CD買わなくちゃいけないんでしょうか?(笑)