中古CD

bearsmick2010-03-10

東京に住んでいた頃は、毎週1日か2日はレコード/CD屋さんや中古屋さんに足を運んでいました。古本屋さんもそうですが、家の近所にも店の近所にもあったので、時間があったら散歩がてら行って趣味と実益を兼ねた楽しい時間を過ごしていたものでした。そして収獲があった時は、近所にある喫茶店やコーヒー・スタンドに寄って、入手したばかりのCDなどを眺めながら一服していたものです。
そんな幸せで楽しい時間や場所は、田舎にはなかなかありません。というか都会にもレコード屋さんは少なくなってきたそうで、淋しい気持ちになります。もっとも田舎といえど、中古CDや本を扱っているところが全くないというわけではなくて、「ブック・・・」や「ゲ○」と言うようなチェーン店は、何店かあります。とはいえ、残念ながら僕が好きそうなものはなかなか揃っていないのが実情ですが。
先日、クルマのガソリンを補給しに行った折、エンジン・オイルの交換もしてもらったのですが、ちょっと時間がかかるとのこと。ということで、近所にあるそんな店を久しぶりに覗いてみたのでした。
ゲームや漫画にはあまり興味はないので、もっぱらCDやDVDの掘り出し物はないかと物色していたのですが、元々安く値付けしてある品がその半額とかで売っていました。そこで入手したのが、今日取り上げるエリック・クラプトン1998年の作品「ピルグリム」で、なんと国内盤のきれいなCDが¥100でした。
僕は、それこそ中学生の頃からクラプトンは聴いていたのですが、そんなに大ファンという意識はなく、それなりのファンという感じで付き合ってきったものです。それでも時代によっては大好きな作品もあったりして、けっこうな数の作品をLP、CD、ヴィデオと持っていたりします。
この「ピルグリム」は打ち込みの歌主体の作品だということだったので、当時もちゃんと聴くこともなく打っ棄ったままだったのですが、今回聴いてみて以外と良い作品じゃないかと思った次第です。
クラプトンというと「ギターの神様」とか「ブルース・ギターの達人」といった評価があると思いますが、僕は以前からシンガーとしてのクラプトンがけっこう好きだったりしました。最近はグッと歌も上手になったと思いますが、昔はそうでもなかったですからね。でもその弱さも含めてクラプトンの歌が好きだったのでした。
で、この「ピルグリム」は、カヴァー作品もあるものの基本的にはオリジナルの歌の作品に仕上がっています。時代の要請によるものなのか、ソウル/R&B調のサウンドにのせて歌っているのですが、派手なロックやブルース・ギターが聴けないかわりに落ち着いた歌が魅力的に響いてきました。確かにこれはロックとはいえないかもしれませんが、これもまたクラプトンのロックとも言えるのかもしれません。
¥100で買わなかったら、この作品をちゃんと聴くことはなかったかもしれません。こんなことがあるから中古屋さんは好きなんだなぁ!