ブラックホーク的

bearsmick2005-10-15

今日は、僕らが(誰らだ?)若い頃大いにお世話になり多大な影響を受けた場所、渋谷は道玄坂・百軒店にあった伝説?!のロック喫茶「ブラックホーク」でレコードを回していた(当時はまだDJという感じではなかった。しゃべりもなくLP片面を流すというスタイルでセレクターという感じですか?)松平維秋さんの命日ということで、ちょぴり当時のことを思い出しながら音楽を聴いていました。
ブラックホークは元々ジャズ喫茶だったのでその名残が残っていて、店内でのオシャベリは御法度、うるさいと「静かにしてください」と書かれた紙が差し出されてしまいます。当然お客さんはみんな本を読むか目をつぶって瞑想的に集中して聴くかのスタイルになる訳です。毎週新譜が入荷するのでつい足繁く通うことになりました。
お昼の開店時間から松平さんの仕事が終わる時間までズーッとコーヒー一杯で粘って音楽を聴いていたもんでした。数あるレコードの中からこれはというものを見つけて自分の少ないお金からLPを買うわけです。途中、お腹がすいたら抜け出して近所の喜楽でラーメンを食べて、また帰ってきて追加オーダーもせず音楽を聴くという、今では考えられないこともしょっちゅうやっていました。それを許してくれていた松平さんも偉かったです(笑)。
そのブラックホークでは大学以上に友達もたくさん出来ました。仕事がひけた松平さんもよく僕らと一緒に居酒屋に付き合ってくれました。多分5歳くらいしか歳も違わなかったと思いますが、とんでもなく大人に思えた松平さんでした。
当時、僕は池の上の6畳くらいしかないロック・スナック「む」というところで深夜のアルバイトをしていたのですが、そこでは松平さんは常連のお客さんでした。いろんな話をしていろんなことを教えていただきました。松平さんから見れば僕なんかほんの若造だったんでしょうが、あの時代が今の自分に繋がっているのは間違いありません。
松平さんは英国のトラッドやアメリカの東部のディランやザ・バンドなどシンガーソングライター系の音楽が好きだったのでしょうか、西海岸のそれもシスコ・サウンドやサザン・ロックが好きな僕とは趣味も違ったのでしょうが、良くお付き合いしてもらったものです。
さて当時のことを思い出しながら書いてきたんですが、私的なブラックホーク的なレコードとなるとパっと思いついたのが、アラン・ガーバーのLPです。きっとブラックホークに通っていなかったら知らずに終わったものかもしれません。そのイナタくもスワンピーな楽曲は今の僕にも十分楽しませてくれるものです。なんやかんやいって自分の中にブラックホーク的な感性が根付いていることを否定することは出来ないと思った松平さんの命日でした。
どうもありがとうございます。松平さん&ブラックホーク